「夜の街」の観光を活性化させようという初の取り組みが、北海道函館市の歓楽街、本町を舞台に企画されている。「スナックキャストと巡る五稜郭本町ナイトツアー」で、市は、夜の街の魅力が広まれば地域振興にもつながると期待している。

600店密集
スナックは近年、若年層や訪日外国人客の間で静かなブームとなっている。

五稜郭公園に近い本町の繁華街には、バーやスナック約600店が密集。電車通りから一本裏手に入ると、レトロな函館が残っている。映画やドラマのロケ地にもなり、函館出身の作家・佐藤泰志原作の映画「そこのみにて光輝く」（2014年）では主人公（綾野剛）が繁華街を歩くシーンなど、同「オーバー・フェンス」（16年）では主人公（オダギリジョー）と恋人（蒼井優）がスナックで出会う場面が本町で撮影された。

地域活性化へ
市が今回、「ナイトタイムエコノミー（夜間経済）」に着目したのは、夜は昼に比べて消費額が大きくなる傾向にあり、宿泊にもつながるからだ。市内外や海外からの観光客を繁華街へ誘導することで、消費、宿泊数の増加や地域活性化を狙う。

ツアーは８月12～16日に実施。定員は各回５人で、午後９時スタート（所要時間約70分）。スナックの女性キャストがガイド役となって本町の「路地裏」を巡り、飲食店ビルの歴史などをたどる。その後、実際に本町のスナックを訪れる。

市観光推進課の担当者は「函館には日中の観光とは違う、夜の顔もある。ツアーをきっかけに、外国人観光客や若い世代にも、スナックの楽しみを知ってもらえたら」と参加を呼びかけている。問い合わせは市観光推進課（0138・21・332x）。

読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20250725-OYT1T50042/